ペーパードライバーにとって、久しぶりの道路上での運転はドキドキする経験であり、様々な挑戦が待ち受けていますね。そこでこのシリーズでは、「ペーパードライバーの運転テクニック」に焦点を当て、運転上達のためのコツを5回にわたってご紹介いたします。
第2回目は、「周囲を観察する」についてです。
この中で重要なポイントは、
「交通ルールと標識を覚える」
「バックミラーを活用して安心・安全な運転」の2つです。
これらの運転テクニックをマスターすることで、安全で快適なドライビングが可能になります。さっそく、始めてみましょう!
交通ルールと標識を覚える
当スクールの人気記事『車の運転が怖い!?ペーパードライバーあるある30選と克服する方法』に掲載されている、ペーパードライバーあるあるの1つに「道路標識はほとんど忘れた」というのがあります。しばらくクルマを運転することから離れていると、道路標識をあまり意識せずに生活してしまうのはあり得ますよね。
でも、ペーパードライバーを卒業するには、交通ルールと標識を思い出すことは必須です。
なぜ、交通ルールと標識を覚えることが大事なの?
運転する際に交通ルールと標識を理解していることは、運転テクニックの向上、もちろんペーパードライバーや初心者にとっても、重要な安全運転のコツを身につける上で欠かせない要素です。以下にその理由を詳しく説明します。
①自分だけでなく周囲の安全を確保する
交通ルールや標識は、交通を安全に維持するため、交通事故を減らすため、つまり人間の命を守るために作られています。
これらを理解して守れば、自分自身だけでなく、他の道路利用者の安全を確保することができます。
例えば、制限速度や優先権、禁止行為などを守ることで、事故や危険を最小限に抑えることができます。優先権については、後述します。
②交通の流れを維持する
交通ルールは、道路上での車両や歩行者の流れを規制して、整理します。
これにより、混乱や渋滞をできるだけ防いで、道路を効率的に利用することができます。もし交通ルールがなかった場合のことを想像してみてください。人や車のどちらが優先なのかが分からず大混乱になり、交通事故も多発するでしょう。
ですから、正確な信号の理解や標識の守り方は、円滑な交通の実現に寄与しているのです。
③法的な義務がある
交通ルールは法律です。これらを守ることは私たちの義務であるので、違反すれば罰金や免許停止の対象となります。法令遵守は社会的なルールでもあり、他のドライバーや歩行者との共存においてとても重要です。
④予測可能な行動ができる
みんなが交通ルールを守っていれば、他の道路利用者の行動がある程度予測可能になります。
例えば、信号が赤なら停止することが期待されるため、交差点での衝突リスクが低減します。予測可能な行動は、危険を回避するためにも重要です。
⑤ドライバーの自己防衛になる
交通ルールや標識を理解し守ることは、ドライバー自身の自己防衛にもつながります。もし赤信号や一時停止を無視して通行すれば、車も人も交通事故に遭遇する危険が増大して、自己防衛できませんよね。
正確な情報をもとに適切な判断を行い、他の危険な状況から身を守ることができます。
以上のように、交通ルールと標識を理解することは、ドライバー自身の安全だけでなく、社会全体の安全と円滑な交通流を確保するため、そして交通事故を防ぐためにも不可欠です。
交通環境は常に変化していますが、交通ルールや標識を覚えることを基本に、その他の適切な知識を持ち実践することで、安全で効果的な運転が可能になります。
交通ルールと標識を覚えるコツとは?
では、交通ルールと標識を覚えるにはどんなコツがあるでしょうか? 以下のようなことが役に立つでしょう。
①いつも通っている道に設置されている標識について調べる
まず、自分がいつも通っている道路に設置されている標識について調べて、その意味を十分に把握しておきましょう。
ペーパードライバーの方の多くは、ライフスタイルが変化したことでペーパードライバーを卒業しようと思っています。
いつも行くスーパー、勤務先、子供が通う保育園や学校、両親が通う病院など決まった目的地があるならば、そこへ通う道路に設置されている標識を覚えて、標識の意味をいま一度調べておきましょう。
車を運転している家族がいる場合は、その標識を守るための運転のコツなどを聞いておくのも良いでしょう。
②免許更新の際にもらう教本を読んで復習する
ペーパードライバーの皆さんは免許更新されているので、免許更新の際にもらう交通教本をもらっているはずです。運転しない時は「関係ないから捨てている」という方も多いと思いますが、教本があるのなら心新たに読んでみましょう。
交通教本の後半には標識の一覧があるので、これで十分復習できます。
一時停止、徐行、通行止め、一方通行、Uターン禁止、追い越し禁止などは安全運転に直結する、よく見かける道路標識なので、きちんと覚えておきましょう。
また、道交法改正によって新たに加わった標識などもあるので、より新しい教本を読むことで変化が分かります。
例えば最近では、増加傾向にある自転車関連の交通事故に関連した、「自転車通行帯」の設置などがありました。
さらに、これから法改正される予定になってる交通ルールには、「車が自転車の右側を追い越す時、十分な間隔や安全な速度を保たなければならない義務」が加わります。追い越し時に自転車と車が接触した場合は重大な事故に繋がる恐れがあるので、違反した場合には罰金が課されます。
ペーパードライバーが車を運転しなくなってから、交通ルールや標識にも変化がありますので、交通教本は役に立つでしょう。
③「交差点での交通優先順位」と「優先道路」を覚えておく
先述した通り、交通ルールや標識を守る、つまり道交法を守ることは私たちの義務であり、それが私たち自身を交通事故から守ります。
道交法には道路を使う時の優先順位などが決められています。
▶交差点での交通優先順位
交差点では、直進、左折、右折の順に優先です。
ですから、直進のクルマがおらず、左折と右折のクルマが同時に曲がろうとした場合、左折のクルマが優先となります。最近は右折のクルマが優先と思い込んでいるドライバーもいるようですので注意しましょう。
優先車が戸惑わずに速やかに曲がれば、混雑せずにすみます。
▶優先道路について
・優先道路の標識や看板が付いている場合はそれに従います。
標識や看板がない場合は?
・センターラインがある道路とない道路では、センターラインがある道路が優先です。
・センターラインがない場合は、幅が広い道路の方が優先です。
・どちらとも見分けがつかない場合は、「左側優先」のルールに従います。自分の左側にいるクルマの方が優先です。
▶狭い坂道のすれ違いでも優先順位があるので覚えておきましょう!
以下は、【交通の方法に関する教則(国家公安委員会)】からの引用です。
・ 坂道では、上り坂での発進がむずかしいため、下りの車が、上りの車に道を譲りましよう。しかし、近くに待避所があるときは、上りの車でも、その待避所に入つて待ちましよう。
・ こう配の急な下り坂では追越しをしてはいけません。
・ 片側が転落のおそれのあるがけになつている道路で、安全な行き違いができないときは、がけ側の車は一時停止をして道を譲りましよう。
優先の順番が頭に入っていると、現場で迷うことなく意外と運転しやすくなるコツです。
優先順位が分かっていないと、「運転の最中にどうすればよいか迷ってしまい行動が起こせない」「周囲がこうすべきと思っていることと違う行動をしてしまう」など、周囲とのタイミングを図ることができずに交通事故やトラブルを招いてしまうので、注意しましょう。
バックミラーを活用して安心・安全な運転
バックミラー(クルマの後ろを見る鏡)は、車を運転する際に安全な運転を支援してくれる重要なツールです。
バックミラーには、車内のルームミラーと車体の左右両脇にあるサイドミラー(ドアミラー、フェンダーミラー)があります。
以下のとおり、正しいバックミラーの活用は、交通事故のない安全運転を可能にします。
運転に慣れていないペーパードライバーは、最初はバックミラーを見ることさえもおぼつかないかもしれませんが、しっかり練習して慣れていきましょう。
なぜ、バックミラーを活用すれば安心・安全な運転になるの?
ルームミラーやサイドミラーなどバックミラーを活用できれば、後方の車両や障害物をいち早く確認でき、ブレーキやハンドル操作で回避し、交通事故を防ぐことが可能となります。
具体的に見ていきましょう。
①後方の車両や障害物の検知
バックミラーを使用することで、後方にいる他の車両や障害物を確認できます。これにより、後方からの接近や後方にいる他のドライバーの行動を把握しやすくなります。
ルームミラーで、真後ろの車両や障害物を確認できます。サイドミラーで、右後ろや左後ろの車両を確認でき、車線変更や追い越しの時に活用します。
②車線変更(進路変更)、左折の際の確認
主にサイドミラーを利用することで、車線変更(進路変更)、左折の際に後方の交通状況を確認できます。これにより、後続車との適切な間隔を保ちつつ安全に車線変更や左折ができます。。
車線変更の際には、左右のサイドミラーで後方車両を確認し、十分なスペースがあれば安全に車線変更できます。サイドミラーで確認しないと、後方から近づいてくる車両と接触する危険があります。
左折時には、左のサイドミラーで後方から来るバイクや自転車、横断歩道を渡ろうとする歩行者などを確認してから左折します。そうすれば、万が一の場合ブレーキを踏むことができるので接触する危険は少なくなります。
それだけでなく、車線変更や左折を行う前に、ルームミラーで真後ろを走る後続車の位置を事前に確認して車間距離をとっておくことも、追突事故などを未然に防ぐコツです。
サイドミラーには死角がありますので、ルームミラーと併用して後続車への事前の確認が必要です。後続車の動きから次の予測位置を意識して、サイドミラーの死角にいる可能性を予測しておくのです。
白バイはスピード違反の測定時に、この死角に隠れて追尾します。
③駐車時の支援
バックミラーは、駐車時に後方の状況を確認するのに役立ちます。特に、車をバックで駐車する際には、バックミラーを使用して周囲の障害物や他の車両との距離を確認し、安全に駐車することができます。
ルームミラーでは直後方の車両や障害物を確認し、駐車スペースにバックで駐車する時の安全確認ができます。サイドミラーでは、車の横方向や死角を確認し、隣の車や壁との適切な間隔を確保し、車体が他の障害物に接触しないように安全確認ができます。
駐車時はミラーだけで死角を網羅できないので、目視確認が必須です。
④死角の軽減
バックミラーを適切に調整することで、車の死角(見えにくい領域)を軽減することができます。これにより、後方から接近する車や歩行者に気づきやすくなります。
ルームミラーだけでなくサイドミラーも注意深く活用して、死角を最小限にすれば、他の車や歩行者との接触がなく安全な運転が可能となります。
しかし、バックミラーも万能ではなく、見えていない死角はどうしても残るので、目視確認が必須です。
以上のように、バックミラーを活用することで、運転する時の安全性が向上します。ドライバーが後方の状況を把握し、他の車両や歩行者など周囲との適切なコミュニケーションがとれることで、交通事故のリスクが低減します。
ですから、ペーパードライバーの皆さんもバックミラーを適切に利用して、安全運転を実現しましょう。
しかし、ペーパードライバーや初心者がバックミラーをあまり使えていないことは、よく知られています。一方、ベテランのタクシー運転手は6~7秒に一回、バックミラーを見ると言います。
交通事故を起こさない安全運転のためにも、バックミラーを確認することが必須ですから、ペーパードライバーから早く卒業するためにもバックミラーの活用をマスターしましょう。
ママさんドライバーの中には、バックミラーの使い方を誤っている方も見かけます。後部座席に座っている子供さんたちが心配で、そのためにバックミラーを使用しているようです。
しかし、そのようなバックミラーの誤った使い方だと、後方確認が十分にできず交通事故に遭う可能性が高くなってしまい、結局子供さんたちを巻き込んでしまうので、やめましょう。
バックミラーは適切な位置に調整しましょう。後述します。
もし、どうしても後部座席の子供さんたちが心配ならば、別途適切な位置に別のミラーを設置するのはいかがでしょうか。
バックミラーの適切な位置調整や利用の仕方がよく分からない場合は、私たちと一緒に練習しましょう!
バックミラーを活用するコツとは?
①バックミラーは正しい位置に調整しよう!
まずは、後方の交通状況がしっかりと把握できるように、ルームミラーとサイドミラーは適切に調整されていることが重要です。
ルームミラーは、リアウィンドウから見える直後方ができ限り見えるように調整。サイドミラーは、自車の側面をできるだけ広く映すように調整します。隣のクルマや後方の車両の位置が確認できるようにします。
いずれも、死角をできるかぎり最小化するように調整します。
ミラーの形状により死角の多い車や、子供、荷物などの関係で死角ができてしまう場合、カメラを利用したバックミラーの設置も検討しましょう。
②バックミラーはできるだけ頻繁に確認しよう!
ルームミラー、サイドミラーなどのバックミラーは、主に後方を確認するためのものです。頻繁に使用できれば、後続車や交通状況の変化をいち早く把握できます。駐車の際にも、周囲の状況を把握できます。
特に、車線変更(進路変更)、左折の際には、サイドミラーを確認して安全な操作を行いましょう。周囲の車の動きを最悪の可能性で予測することも重要です。
③ブラインドスポット(死角)の注意
バックミラーの調整や頻繁な確認をしていると、バックミラーでは見えにくいブラインドスポット(死角)があることに気づいてきます。
必要に応じて首を動かして、ミラーの死角になる部分も目視するよう心がけましょう。
④ミラーチェックを習慣にする
定期的にミラーチェックを行う習慣を身につけると良いですね。
先述した通り、タクシーやトラックの運転手はバックミラーを見ることが習慣になっています。それは万が一事故を起こしてしまうと会社を含めた多大な損害が出てしまうからです。
でも、私たち一般ドライバーも同じで、交通事故を起こした場合、自分自身も含め同乗している大事な家族などの命を危険にさらしてしまいます。
ですから、ペーパードライバーから卒業するには、ミラーチェックを習慣にできるよう努力しましょう。
例えば、交差点に差し掛かる前や車線変更を考えた時に、ルームミラーとサイドミラーを確認するクイックチェックを実施します。これにより、急な状況変化にも迅速に対応できます。
⑤運転支援装置をあわせて利用する
現在の自動車には運転支援装置が装備されてきています。
例えば、2022年5月以降に発売された新型車には、バックカメラ、もしくはバックセンサーの搭載が義務化されているのです。
バックカメラは後方の状況をカーナビの画面に表示してくれます。バックセンサーは他の車両や歩行者、障害物を検知して音などで警告してくれます。
ですから、まだ運転に慣れていないペーパードライバーには強い味方となるので、運転支援装置をあわせて利用するのが良いでしょう。
でも、まだ運転支援装置は万全ではありませんので、ルームミラーやサイドミラーを自分で確認すること怠らないようにしましょう。
以上のようなコツを実践することで、バックミラーを効果的に使い、運転中の安全性を向上させることができます。
運転テクニックについて5選②‐ 運転上達のためのコツ満載!:まとめ
このシリーズ記事では、「ペーパードライバーの運転テクニック」に焦点を当て、安全を確保することを最優先に、運転上達のためのコツを5回にわたってご紹介いたします。
第2回目は、「周囲を観察する」についてでした。
この中で重要な2つのポイント、
「交通ルールと標識を覚える」
「バックミラーを活用して安心・安全な運転」
について説明しました。
なぜ運転テクニックが必要なのかは、交通事故を起こさない安全運転のためです。上記のようなコツを覚えて上達すれば、自ずと安全運転になります。そうすれば、ペーパードライバーが感じている「運転怖い!」を克服できることにもなります。
ペーパードライバーを卒業したいと思っている方、FDSのペーパードライバー講習で一緒に練習しましょう!
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