きっかけは「家族のために」
今回ご依頼いただいたのは、港区在住の30代女性。
社会人になってすぐに運転免許は取ったものの、その後は都内の電車移動が中心で、十数年ほとんど運転経験がなかったとのこと。
最近になってお子さんが幼稚園に通い始め、雨の日や荷物の多い日の送り迎え、週末の買い出しなどで「そろそろ車が必要かも…」とご夫婦で話し合い、思い切ってペーパードライバー教習への申し込みを決めたそうです。
「正直、もう一度運転できる自信がまったくなかったんです。車庫入れとか想像するだけで心臓がバクバクします」と、最初はとても緊張した表情です。

まずは運転席で深呼吸
初回の教習は、ご自宅マンション駐車場からスタート。
まずは運転席に座っていただき、シート・ミラーの調整、ペダルの位置、ハンドルの持ち方から再確認します。
「こんなに座席を細かく動かしたことがありませんでした。全然景色が違う…」と驚いていました。
実は、こうした細かい「座り方・目線・ミラーの角度」ひとつで、運転のしやすさ・安心感が大きく変わります。
お一人おひとりの体型や癖に合わせて調整するだけで「前より運転しやすい!」という声が本当に多いです。

まずは駐車場内で基礎練習
いきなり道路に出るのではなく、まずはマンション駐車場の広めのスペースでスタート。
「ブレーキ、アクセルってこんなに敏感だったっけ?」と、最初は足元の感覚に戸惑いながらも、発進・停止・ハンドルを少しだけ切って前後移動…を何度も繰り返します。
最初はブレーキを強く踏みすぎて、車が「ガクン」と止まってしまう場面も。
「子どもに怒られそう(笑)」と、ご本人も苦笑い。
ですが、回数を重ねるごとに、足に力を入れすぎないコツや、クリープ現象(ブレーキを緩めるだけでゆっくり動くAT車特有の動き)も体感。
「最初は怖かったけど、だんだん動きが読めるようになってきました」と、少しずつ表情がほぐれていきました。

港区らしい“街中デビュー”
いよいよ敷地を出て、近隣の落ち着いた住宅街へ。
港区は道幅が狭い一方通行や、見通しの悪いT字路も多く、歩行者や自転車の通行も多いエリアです。
「歩行者優先、わかっているつもりだったのに、実際にハンドルを握ると色々なところに気が散ってしまうんですね」
歩行者や自転車が出てくるたびに、ブレーキのタイミングやハンドル操作に緊張しつつも、教習を通じて「周囲を見るポイント」「停止線でしっかり止まる」ことを意識できるようになっていきます。
途中、郵便トラックが道を塞いでいたり、前方の自転車がふらついたり…。
「こういう時どうしたらいいですか?」と不安そうでしたが、
「焦らず、一時停止して落ち着いて待てば大丈夫ですよ」とお伝えすると、「あ、そうか!急がなきゃって思いがちでした」と新しい気づきも。

教習を通じての変化
練習を重ねるごとに、運転姿勢が自然になり、ペダル操作やハンドルの動きにも落ち着きが見えてきます。
「自分の運転で家族が安全に移動できるようになったらいいな…」と、最初は不安いっぱいだったIさんも、最後には
「これなら少しずつ距離を伸ばしていけそうです。やっぱり誰かに横に乗ってもらって、落ち着いて練習できるのが大きいですね」と笑顔。
次回はもう少しスムーズに走れるように頑張りたいです!」

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