ペーパードライバーが必要な運転テクニック5選⑤‐ 運転上達のためのコツ満載!

雨の日の運転

ペーパードライバーにとって、久しぶりの道路上での運転はドキドキする経験であり、様々な挑戦が待ち受けていますね。そこでこのシリーズでは、「ペーパードライバーの運転テクニック」に焦点を当て、運転上達のためのコツを5回にわたってご紹介いたします。

このシリーズ記事では
第1回目:「スムーズな発進と停止を意識する」「車間距離を確保することで安心・安全な運転」
第2回目:「交通ルールと標識を覚える」「バックミラーを活用して安心・安全な運転」
第3回目:「駐車テクニックと苦手克服のコツ」
第4回目:「車線変更苦手克服術と運転上達のコツ」
と、たくさんのことをペーパードライバーの方向けにお伝えしてきました。

しかし、まだまだペーパードライバーの皆さんが運転上達をするためのコツ、運転テクニックはあるのです。
最後の第5回目は、「天候や道路状況に応じた運転のコツ5つ」についてです。

天候と言って、すぐに思い浮かべるのは雨の日の運転でしょう。そして、東京でもたまに降る雪の日は、普段使わない運転テクニックを要する時です。
こういった天候によって道路状況が大幅に変化するため、天候の良い時と比較すると注意しなければならない運転テクニックが増えます。さらに、夜間の運転にもコツがあります。
これらは、ペーパードライバーでなくとも、安全運転するために知っておいた方が良い知識です。

では、具体的に見ていきましょう。

目次

1.雨天時の運転テクニック

雨の日の道路状況はこうなる

  • 路面が滑りやすくなる。
  • 視界が悪くなる。
  • 渋滞が増える。
雨の日の運転
雨の日の運転は見えづらく、滑りやすい!

雨の日の対策や運転のコツとは?

①スピードを落とす

雨が降ると路面が滑りやすくなるので、スピードを落とさなければなりません。

スピードが、おおむね80km/h以上になると「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなます。
ハイドロプレーニング現象とは、路面に水膜が形成され、この水膜がタイヤと路面の間に入り込むことで、タイヤと路面の接地面が減少し、摩擦力が低下する現象です。
そのためタイヤの溝が少なくなったタイヤ、つまりすり減ったタイヤではより現象が起きやすくなるため、日ごろのメンテナンスに注意する必要があります。
ハイドロプレーニング現象が起きると、ブレーキを踏んでも十分に効いてくれずスリップして、コントロール不能に陥ります。

小雨程度でも、雨の降り始めの舗装道路は滑りやすくなります。
その理由は、路面にある泥やほこり、油などが浮き上がって、ちょうど油をひいたようになり、スリップしやすくなるからです。
ハイドロプレーニング現象と同様に、ブレーキをかけても十分に効いてくれない可能性があります。

ですから、雨の日の運転の対策とコツは、スピードを落とし、ブレーキやアクセルの操作をより丁寧に行うことです。

走行スピードが高い高速道路では、晴天時の感覚でスピードを落とさないままカーブに入ると、スリップを起こしやすいので気を付けましょう。

以下は、首都高での「雨天時の事故形態割合」のグラフですが、スリップを起こしやすい現実が見えてきます。
雨天時は「施設接触事故」の割合が2倍ほどにもなっています。つまり、スピードが高いままカーブに入り、スリップしてブレーキを踏んでも制御できないため壁などの施設に衝突する事故が増えるのです。
雨の日には、少なくとも自分の中で2段階、スピードを抑える気持ちになってください。

雨天時の事故形態別割合=施設接触が多い!

出典:雨の日に事故が多発しています(首都高ドライバーズサイト)

②十分に車間距離を保つ

雨の日は滑りやすいため、晴れの日より停止距離が長くなります。

停止距離とは、気づいてからブレーキを踏むまでの空走距離とブレーキを踏んでから止まるまでの制動距離を足したものです。
フルブレーキを踏んだ時、タイヤはロックして滑り出し、コントロール不能に陥ります。そこで、ABS機能(アンチロックブレーキシステム)が断続的にブレーキを離し、タイヤのロックを防いで路面とタイヤの摩擦を保とうとします。現在、ABSが装備されていない車はほとんど存在していないはずですが、「ポンピングブレーキ」を必要としないようにスピードを落とす必要があります。

ブレーキを踏んでも前車に追突しないよう、雨の日は晴れの日以上に十分に車間距離を保って走行することです。そして雨が降ってくれば、より予測運転をすることでスムーズに走れるのです。

③ワイパーを適切に使用する

雨の日は、視界が悪くなりやすくなります。ですので、ワイパーを適切に使用して、視界を確保しましょう。

運転に慣れていないペーパードライバーは、事前にワイパースイッチの位置をきちんと覚えておき、雨の量(小雨~豪雨)によってワイパースピードを調整する方法も熟知しておきましょう。

また、ウィンドウに汚れが付いていると、ワイパーを使用したら余計見づらくなったということもあるので、ウォッシャー機能の使い方も覚えておきましょう。さらには、ワイパーブレードなどが硬くなっていないように日頃から点検することをおすすめします。

④ライトを点灯する

雨が降り始めると、夕方のように暗くなります。交通事故を起こさないためにも、他の車や歩行者に自分の位置を知らせることが重要なので、ライトを点灯しましょう。

雨が強くなるほど周囲から視認しづらくなるので、ライトを早めに点灯するのがコツです。
その時、雨量によっては雨滴の反射によって視界が悪くなる時もありますので、ハイビームは避けることです。ハイビームの必要のない安全な速度で運転しましょう。

⑤タイヤの溝の深さを普段からチェック(雨の日以外の対策)

タイヤは、摩耗して溝が浅くなるほど、雨の日にスリップする危険性が高まります。

ディーラー整備におまかせするだけでなく、普段からタイヤの溝が減っていないかチェックする習慣をつけましょう。タイヤのトレッドパターンによりますが、おおむね溝が5mm以下なっている場合には注意をするのが懸命です。
そうすれば、適時にタイヤ交換を行うことができ、雨の日にスリップ事故や追突事故を起こす危険性が低くなります。

2.夜間運転のテクニック

夜間の道路状況はこうなる

  • 夜間は昼間と違って視界が悪くなる。(夜間視力)
  • 「げん惑(眩惑)やグレア現象」が起きて見えにくくなる。

夜間運転の対策や運転のコツとは?

①ヘッドライトを早めに点灯する

夜間は、昼と夜とで視力が変化する夜間視力となるので、ドライバーの視界が悪くなります。それと同時に、周囲からも自車の視認性が低くなります
特に、交通事故で死亡事故の多い時間帯は17時から19時で、いわゆる薄暮時間帯に事故が多く、その中でも歩行者の横断中の事故が多くなっています。

ですから、交通事故を起こさないためにも、早めにヘッドライトを点灯し、周囲から自分のクルマの位置を確認しやすくする必要があります。

薄暮時間帯の事故があまりにも多いために、最近の市販車には、一定の暗さになるとヘッドライトが自動点灯する装置が義務付けられました。昼間でもデイライト(昼間点灯用ライト)やヘッドライトの点灯をおすすめします。

②げん惑(眩惑)やグレア現象の対策

夜間運転時に遭遇するげん惑(眩惑・幻惑)やグレア現象

げん惑(眩惑・幻惑)とは、運転中に対向車のライトを直視した時、またはハイビームが偶然目に入ってしまった時などに、一時的に目がくらんで見えにくくなる現象です。
夜間運転時に「うわっ、眩しい」と思ったことがありますよね。
げん惑は一時的なものではありますが、見えていたものが急に見えにくくなるため、ペーパードライバーでなくとも不快で危険です。

グレア現象とは、対向車のライトと自車のライトの光線が交錯した時に互いに反射しあって、その間にある人や自転車が見えなくなる現象です。別名「蒸発現象」とも言います。
道を横断している人や自転車が、グレア現象によって見えなくなってしまう(蒸発してしまう)ため、事故になる可能性もあり、とても危険です。

げん惑(眩惑)やグレア現象は、視力が良く眼の状態が健康な人でもイヤなものですが、目の老化や夜盲症、乱視などが進んでいて余計に見えづらくなっている可能性もあります。
「前よりも眩しい、見えにくくなっている」という場合は眼科に行って検査してみましょう。

また、げん惑(眩惑)やグレア現象は、メガネによって対策できる場合もあります。
黄色のレンズのメガネであれば、主にブルー系の光が使われているヘッドライトに対して有効と言われているので、試してみてはいかがでしょう。メガネをかけない時より夜間運転が楽になるのではないでしょうか。

3.強風時の運転テクニック

強風時の道路状況はこうなる

  • 強風時には車両が安定しにくくなる。
  • 強風にあおられ物が飛んできたり、車両からの落下物も有りうる。
  • 海岸に近い道路では砂が路面に流れ込み滑りやすくなったり、スタックする場合もある。

強風時の対策や運転のコツとは?

①ぶれないようにハンドルをしっかり持つ

女性運転練習
強風時にはハンドルをしっかり持つ

強風の中では車両が安定しにくくなります。
その理由は、強風が車体に対して風圧をかけるからです。特に、橋の上などの開けた場所で横風を受けた場合は、左右に押されるので車線からはみ出さないようにハンドルをしっかり持つ必要があります。
しっかり持つと言っても強く握りしめるのではなく、カウンターステア(曲がる方向とは逆にハンドルを切ること)ができるように、少し余裕をもって握ることです。

また、クルマの表面面積が大きいクルマ(トラックやミニバンなど)は影響を受けやすいので注意しましょう。最悪の場合は、横倒しになる可能性があります。
突風が予想される場合には、できるだけ安全な場所に車を停めるか、速度を落として慎重に運転します。

②周囲のクルマや道路状況をよく観察する

強風時の走行では、道路に他の場所から飛んできた物が突然現れる場合があります。ビニール袋などは踏んでしまっても大丈夫ですが、木片やプラスチック片など硬い物であるとタイヤがパンクする可能性があるので、回避する心構えを持っておきましょう。
そのような障害物が原因で、前車が急ブレーキをかけたり、周囲のクルマが急ハンドルをきったりするので、車間距離をあけ、よく道路状況を観察していましょう。

また、海岸に近い道路では、強風によって砂が道路に流れ込んで来ます。滑りやすくなっている上、堆積している場合は乗り上げるとスタックするおそれがあります。注意しましょう。

https://twitter.com/gakuto_98/status/1725265106442101235?s=20

雪や凍結時の運転テクニック

雪の日や凍結時の道路状況はこうなる

  • 雪の日は道路に雪が積もり滑りやすくなる。凍結することもある。
  • 雪が激しく降る大雪になると、視界が悪くなる。

雪の日や凍結時の対策や運転のコツとは?

①スタッドレスタイヤやチェーンを装着する(事前の対策)

雪の日の運転にはタイヤチェーンが必須

ノーマルタイヤの性能は、雪の日に適していません。それは、タイヤの溝やゴムの硬さが適しておらず、スリップしやすいからです。
スタッドレスタイヤやチェーンを装着することでスリップすることを防ぐことができます。
しかしスタッドレスタイヤにも限界があり、凍結路面などでは滑ることがあります。また全般にチェーンのほうが駆動力はかかりますが、チェーンのパターンによっては横滑りを防ぐことができないものもあります。

②急アクセル、急ブレーキは厳禁

雪の日には、発進する時はゆっくりとアクセルを踏み、急ブレーキも厳禁です。それは、タイヤの摩擦力がなく、スリップするからです。タイヤをグリップさせるように運転するのがコツです。

現在のAT車では「スノーモード」が装備されて、セカンド発進(2速発進)を行ったり、急加速を制御して横滑りなどを検知した場合にブレーキやアクセルを制御したりする車もあります。
運転に慣れていないペーパードライバーは、こうした運転支援装置のついた車を使うことも大切です。

③凍結している道路があるか確認(特にブラックアイスバーンに注意!)

溶けた雪は凍結している場合があります。これは雪道以上に滑りやすくなっているので厄介です。

凍結しやすい時間帯は、早朝凍結しやすい場所は、風通しのよい橋の上や陸橋、トンネル出入口付近です。

道路をよく観察してみると、一見、水に濡れて黒く見える箇所がありますが、それは表面が凍り付いているブラックアイスバーンである場合があります。それが凍結しやすい時間や場所であるとなおさらです。
凍っていると思って慎重に運転し、雪道以上に急アクセル、急ブレーキは厳禁です。むしろトップギアなどでアクセルを離し、惰性で通り過ぎるぐらいの気持ちが良いようです。

5.霧や濃霧時の運転テクニック

霧や濃霧時の道路状況はこうなる

  • 霧が発生すると視界が悪くなる。濃霧の場合は、一寸先も見えない。
少しの霧でも先が見えにくくなる

霧や濃霧時の対策や運転のコツとは?

①ヘッドライトやフォグランプを点灯して、ゆっくり走行する

霧は、湿度が高くて気温が低い時に発生しやすくなります。湖近辺や山中でも発生しやすいです。
霧の中では、昼間でも視界が非常に悪くなるので、真っすぐ走行するのにも苦労します。速度を大幅に落とし、ヘッドライトを点灯し、フォグランプを使用することが重要です。これはもちろん周囲からの視認性を高めるためです。特に、対向車です。

注意: 霧が発生した時はヘッドライトをハイビームにしないこと。ハイビームにするとかえって光が乱反射して見えにくくなり逆効果です。
前方の車や信号に近づいた際は、特に注意が必要です。

②走行の目安になるものを見つける

濃霧の場合は一寸先も見えず、真っすぐ走行するのにも苦労することがあります。そんな時は、何か目安になるものを探しましょう。中央線やガードレール、前車のバックライト(尾灯)などを頼りに走行すると楽です。
ただし、山中では片側が谷で崖ということもあるので、山側を意識して慎重に運転しましょう。

以上のような状況に応じた運転テクニックを身につけて慣れていくことで、ペーパードライバーでも安全性と快適性を両立させた運転が可能になります。また、適切な対応を行うことで、周囲のクルマや同乗者へのリスクを最小限に抑えることもできます。

ペーパードライバーは運転を避けた方が良い、できるだけ

上記のようなの日、の日、強風の時、濃霧の時、そして夜間、特殊な道路状況に合った運転テクニックを、通常の運転テクニックに上乗せして柔軟性を持って運転しなければなりません。
ベテランドライバーでも緊張して運転しています。

しかし、ペーパードライバーの方は経験が足りず運転が未熟で、通常の運転テクニックが熟成していない場合が多いです。
そのため、運転していて上記のような天候や道路状況に遭遇した場合は、できるだけ運転を避けることをおすすめします。
それは、万が一、特殊な道路状況に合った柔軟な対応で運転できなかった場合、交通事故を起こしてしまう危険が高まるからです。
不安な場合は運転することを避け、同乗者で自分よりも運転経験がある人がいたら、すぐに交代しましょう。

ペーパードライバーがさまざまな道路状況に柔軟性を持って対応できるようになるには、もっと運転を練習して、普段の運転に自信を持てるようになることが優先です。
FDS東京のインストラクターに勉強したいシチュエーションを伝えると、それに合った場所でのレッスンを受けることもできます。出来るだけ詳細に疑問点などをFDS東京のインストラクターに伝えてみましょう。

ペーパードライバーが必要な運転テクニック5選⑤‐ 運転上達のためのコツ満載!:まとめ

このシリーズ記事では、「ペーパードライバーの運転テクニック」に焦点を当て、安全を確保することを最優先に、運転上達のためのコツを5回にわたってご紹介しています。
最終の第5回目は、「天候や道路状況に応じた運転のコツ」についてでした。

天候によって道路状況が変化し、車の運転が非常に難しくなることが理解できたと思います。このような道路状況では、スリップやコントロールの難しさが増します。そのため、特に運転経験の少ないペーパードライバーは運転に十分な注意を払って、スピードを抑えて慎重に走行することが重要で、それが事故のない安全運転につながります。

「もっとちゃんといろんな道路状況の運転のコツを習得してみたい!」「雨の日や雪の日の運転もちゃんとマスターしたい!」「チェーンのかけ方を練習したい!」というペーパードライバーの皆さん、FDS東京のインストラクターと一緒に克服していきましょう。お気軽にお問い合わせください。

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